都市ガスの自由化の問題点と設置義務(LPガス、 電気・電力)

都市ガスの自由化の問題点と設置義務(LPガス、 電気・電力)

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ここまでの記事で、4月からのガス自由化やガス会社の選び方、春から新生活を始めるかたのために新居先でのガス器具についての予備知識やガステーブルの掃除の方法などを記事にてご紹介しました。

今回の記事では、都市ガスの自由化に伴い、電力との関係や、都市ガスの自由化には果たしてどのような問題点があるのかということを、初心者の方にもわかりやすく解説してみたいと思います。

ガス自由化問題1

ガスの12a、13aとは

ガスの「12A」や「13A」といった用語をみなさんはご存じでしょうか?
あまり日常では聞きなれない言葉ですが、これは都市ガスの種類のことです。

都市ガスの種類には、12Aや13A、6Bなどのように数字と英字の組み合わせで表されます。
また、数字はウォッベ指数を1000で割って、小数点以下を切り捨てたものにほぼ該当します。
英字は燃焼性の種別を表し、燃焼速度をA(遅い)、B(中間)、C(速い)と3種類に分けているのです。

ガス自由化問題2

都市ガスの自由化の問題点(原産国の事情)

ガスにはガス種というものがあり、これはガスの分類を表しているのですが、みなさんのお住まいのガス給湯器や調理ガスコンロ、暖房などに使用されているガスは熱量や組成などの違いから、「都市ガス」7グループ、および「LPガス」に分類されています。

都市ガスには13A、12A、6C、5C、L1(6B、6C、7C)、L2(5A、5B、5AN)、L3(4A、4B、4C)などがあり、他にはLPガスがあります。また、燃焼速度によりA(遅い)、B(中間)、C(速い)と分類されています。

ガスの種類の13Aは、1m3あたりの発熱量は45メガジュール、12Aは1m3あたりの発熱量は39メガジュールです。

上記のような13A、12Aは、お住まいの地域やお使いのガス器具についてもかわってきます。ですから都市ガスが自由化しても、お住まいの地域やお使いのガスの環境によってはどうしても削減出来ないコストというものも出てきます。また、日本は海外から液化天然ガス(LNG)を輸入して賄っているという特性上、石油の価格と同様、海外情勢など様々な事情によって産出国が値上げすると輸入国である日本のガスの料金が値上げしてしまうということは避けられません。

ガス自由化問題3

都市ガスの自由化の問題点(大手と中小・地方の格差)

日本全国には200社以上のガス会社が存在しています。
そしてそれらのガス会社には当然、大手や中小、施設の規模や経営体力、保安設備や防災システムなどで各社ともに大きな差があります。

当然、大都市部に住んでいればそれだけ幾つもの選択肢があり、都市ガスの自由化に伴い、自由にガス会社を選べるのですが大手のガス会社が軒を連ねる大都市とは違い、地方在住ですと、どうしても中小のガス会社しかない、選べるだけのガス会社が存在していない、などの理由から、どうしてもサービスに格差が生まれてしまい、都市ガスの自由化の恩恵を受けられないといった問題点も出てくるのです。

ガス自由化問題4

都市ガスの自由化の問題点(ガス漏れ検知器・警報器の設置義務)

この春から新居に引っ越しをしたり、4月からの都市ガス自由化にともないLPガスから都市ガスへと変更しようと検討している方にとって、気にかけておくべき問題点があります。

それはガス漏れ警報機・ガス漏れ検知器の設置義務です。

引越しに伴いプロパンガスを使うことになる方が対象なのですが、仮にガスコンロにガス漏れ時には緊急使用停止装置が付いている場合でも、ガス漏れ警報機は基本的に3世帯以上の集合住宅、3階以上の共同住宅では法律的に設置義務が発生します。

詳しくは以下のマニュアルをご参照ください。

ガス警報器設置マニュアル…ガス販売店、建築設備設計者のために(No.7)…
http://www.gkk.gr.jp/download/manual7.pdf
※クリックで別窓が開き、PDF情報が閲覧できます

基本的には都市ガスならガス警報器の設置義務はありません。
LP(プロパンガス)はガス警報器が義務設置です。

3世帯以上の集合住宅は、プロパンガスなら義務設置があります。
プロパンガス切り替えを検討している方は確認しておきましょう。
但し、以下の場合には設置義務はありません。

・お家の中に燃焼器具(ガスコンロやガスファンヒーターなど)が無い
・ガス器具などがネジ接続されていて、燃焼器具に立消え安全装置が組み込まれている場合
・常時設置される訳ではないガスの燃焼器具がある場合
・ガス器具がヒューズガス栓で接続されていて、燃焼器具に立消え安全装置が組み込まれている場合
・浴室内設置の場合

最近ではシステムキッチンのご家庭が増えてきていますので、上記に該当するような設置義務の設備の家庭も少ないように見受けられます。

尚、ガス警報機の取付はガス会社とのリース契約より購入の方がかなり安くなる場合がありますので、ご自身のご家庭にあった最安のベストな方法をぜひご検討ください。


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