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こんにちは、ガス設備管理士の山田です!今日は私の仕事で日々関わっている「液石法第27条」について、皆さんにもわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
LPガスを使っているご家庭も多いと思いますが、その安全を守るための大切な法律についてお話しします。
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液石法とは?基本のキ

「液石法って何?」という声が聞こえてきそうですね。正式名称は「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」と言います。長いですよね(笑)。だから業界では「液石法」と略して呼んでいます。
この法律は1967年に制定されたもので、LPガス(プロパンガス)の安全な取り扱いや適正な取引を確保するための基本ルールを定めています。多くのご家庭や事業所で使われているLPガスですが、取り扱いを誤ると爆発や火災などの重大事故につながる可能性があります。そんな危険から私たちを守ってくれるのがこの液石法なんです。
私が学生時代、アパートでプロパンガスを使っていた頃は「なんでこんなに料金が高いんだろう?」とか「この赤いボンベって安全なの?」なんて思っていましたが、実はその裏では、この液石法によってしっかりと安全管理がされていたんですね。
第27条の重要性と概要

さて、本題の第27条ですが、これはLPガスの販売事業者が遵守すべき「販売の方法」について定めた条文です。いわば、LPガス販売のルールブックの核心部分と言えるでしょう。
この第27条、条文そのものはシンプルに見えますが、その内容は消費者の安全に直結する重要なもの。
具体的には以下のように規定されています
第二十七条 液化石油ガス販売事業者は、経済産業省令で定める技術上の基準に従って液化石油ガスの販売をしなければならない。
たった1行ですが、この「経済産業省令で定める技術上の基準」が非常に幅広く、詳細に定められているんです。
この条文、私が新人時代に上司から「この27条をしっかり守れば、お客さんの安全は確保できる」と教えられたことを今でも覚えています。それくらい重要な条文なんですね。
販売事業者が守るべき「販売の方法」の基準

では、具体的に第27条で定められている「販売の方法」の基準とは何でしょうか?経済産業省令である「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則」で詳しく規定されています。
主な基準としては
容器(ガスボンベ)の設置基準:皆さんのお家にある赤いボンベ、あれの設置場所や方法に細かい決まりがあるんです。例えば、火気から一定距離離す必要があったり、直射日光を避けなければならなかったりします。
供給設備の技術基準:ガスを家庭内に供給するための配管や調整器などの設備についても、材質や構造、設置方法などが細かく決められています。
消費設備の調査・点検:ガス事業者は定期的にお客さんの家のガス設備を調査・点検しなくてはなりません。これが、あの「ガス点検に来ました」というやつです。
周知・警報器設置の義務:ガスの安全な使用法や万が一の際の対処法を消費者に説明する義務や、ガス漏れ警報器の設置について定めています。
緊急時対応:万が一ガス漏れなどの事故が発生した際の対応方法も規定されています。
これらの基準は、皆さんの安全を守るために非常に重要なものです。私もガス会社に勤めていた頃は、この基準に沿って日々の業務を行っていました。
例えば、あるお客様の家で点検をしていた際、配管の一部に微細な亀裂を発見したことがあります。一見小さな問題に見えましたが、この第27条の基準に照らして即座に修理を実施。後日、お客様から「おかげで安心して使えます」と言っていただいたときは、この仕事の意義を強く感じました。
液石法第27条の細かい基準と実務への影響

さらに詳しく第27条の基準を見ていきましょう。実は、私たちガス事業者が日々の業務で最も気を使うのがこの部分なんです。
容器の設置基準の詳細
容器(ガスボンベ)の設置基準は非常に細かく規定されています
平らで、水はけの良い場所に設置すること
通風が良く、かつ日よけのある場所に設置すること
容器の温度が40度を超えないような措置を講ずること
容器と建物の外壁との間に十分な距離を確保すること
火気を取り扱う設備・器具との間に安全な距離を確保すること
これらの基準を満たすため、私たちは設置時に専用の架台を使ったり、風通しの良い場所を選んだり、時には日よけ用のカバーを設置したりします。
「うちのボンベ、なんであんな場所にあるんだろう?」と思ったことありませんか?それはきっと、これらの基準を満たす最適な場所として選ばれたからなんですよ。
供給設備の技術基準
供給設備(調整器や配管など)についても、安全性を確保するための詳細な基準があります
気化装置、調整器などは、風雨にさらされないよう屋内またはカバー付きで設置すること
配管は、腐食しにくい材質を使用し、適切な肉厚・強度を持つものを使用すること
配管接続部からのガス漏れがないよう適切な接続方法を用いること
供給圧力が適正範囲内になるよう調整器を設置・管理すること
こうした基準に従って設備を設置・維持することで、ガス漏れなどの事故を防止しています。
私が駆け出しの頃、先輩から「配管の接続は命を守る作業だ」と教わりました。その言葉の重みを実感したのは、過去の事故事例を学んだときでした。小さな接続ミスが大きな事故につながることを知り、それ以来、一つ一つの作業に細心の注意を払うようになりました。
消費設備の調査・点検義務
消費設備(ガスコンロ、給湯器など)については、以下のような調査・点検が義務付けられています:
新規設置時の調査
定期的な調査(4年に1回以上)
消費者から連絡があった場合の臨時調査
これらの調査では、設備の設置状況、接続状態、ガス漏れの有無、燃焼状態などを確認します。
「またガス点検?面倒くさいな?」と思われる方もいるかもしれませんが、これらの点検は皆さんの安全を守るために法律で定められた大切な義務なんです。ある時、定期点検で「最近、湯沸かし器の調子が悪い」と何気なく言われたお客様の設備を調べたところ、深刻な一酸化炭素漏れの可能性を発見したことがあります。迅速に修理対応ができたのは、この定期点検のおかげでした。
消費者の安全を守るための具体的な対策

第27条の基準は、単に事業者の義務を定めるだけでなく、消費者の安全を直接守るための具体的な対策も含んでいます。
周知義務の内容
ガス事業者には、以下の内容を消費者に周知する義務があります
ガスの性質と危険性
消費設備の操作方法と注意点
ガス漏れ時の対処法
事故発生時の連絡先
この周知は、チラシの配布や定期点検時の説明などで行われます。皆さんのポストに入っている「ガス安全使用のお願い」というチラシ、あれも実はこの第27条に基づく大切な周知活動なんです。
私の経験では、こうした周知活動の重要性は事故発生時に最も顕著になります。かつて担当エリアでガス漏れ事故が発生した際、平時の周知活動で説明していた「ガス漏れ時の窓開け」「火気使用禁止」の対応をお客様が冷静に実践してくださったおかげで、大事に至らずに済んだケースがありました。
ガス漏れ警報器の設置
第27条に基づく省令では、特定の建物には液化石油ガス漏れ警報器の設置が義務付けられています:
共同住宅
特定の地下室や半地下室
特定規模以上の飲食店
旅館・ホテルなど
警報器は、ガス漏れを早期に発見し、事故を未然に防ぐための重要な設備です。「うちのアパート、なぜかガス警報器がついてるけど、他の友達の家にはないな」と思ったことありませんか?それは、こうした法律上の設置義務の違いによるものなんです。
警報器の設置場所も細かく規定されていて、ガスが滞留しやすい場所や、ガス機器からの距離などを考慮して設置します。「なんでこんな場所に?」と思うような警報器の位置も、実は科学的根拠に基づいた最適な場所なんですよ。
緊急時対応の体制整備
第27条に基づき、ガス事業者は24時間365日、ガス漏れなどの緊急連絡に対応できる体制を整備する必要があります。
緊急連絡先の周知
迅速な出動体制の整備
事故時の応急措置の実施準備
私も当直勤務をしていた頃は、深夜のガス漏れ通報に飛び出していくことがありました。眠気も吹き飛ぶような緊張感の中での対応でしたが、「お客様の安全を守る」という使命感で臨んでいました。
違反した場合のペナルティ

液石法第27条は単なるガイドラインではなく、法的拘束力を持つ規定です。
この基準に違反した場合、事業者には以下のようなペナルティが科せられることがあります
行政処分
改善命令:基準違反の是正を命じられる
事業停止命令:一定期間、事業の全部または一部の停止を命じられる
許可取消:最悪の場合、液化石油ガス販売事業の許可が取り消される
罰則
1年以下の懲役または100万円以下の罰金
法人の場合は両罰規定により、行為者だけでなく法人自体も処罰される
こうした厳しい罰則があるのは、ガス事業が人々の安全に直結するからこそ。私の会社でも、法令遵守は最重要事項として位置づけられていました。
かつて業界内で起きた重大事故の多くは、こうした基準の不遵守が原因でした。そのたびに規制は強化され、現在の厳格な基準につながっています。「なぜそこまで厳しいのか?」という疑問を持つ人もいるかもしれませんが、それは過去の痛ましい事故の教訓から生まれた大切なルールなのです。
最近の法改正と今後の動向
液石法、特に第27条関連の基準は、社会状況や技術の変化に応じて定期的に見直されています。最近の主な改正ポイントをいくつか紹介しましょう。
保安業務の高度化
近年の改正では、IoT技術を活用した保安業務の高度化が進められています
遠隔監視システムの導入による常時監視
スマートメーターの活用によるガス使用状況の把握
AIを活用した異常検知システムの導入
これらの技術革新により、「人の目」だけに頼らない、より高度な安全管理が可能になってきています。
私も最初はこうした新技術に懐疑的でしたが、実際に導入してみると、従来では発見できなかったような微細な異常を早期に発見できるようになり、その効果に驚かされました。
自然災害対策の強化
東日本大震災や近年の豪雨災害などを受けて、自然災害に対する対応も強化されています:
耐震性能の高い配管材料の使用義務化
災害時の緊急遮断システムの整備
浸水対策の強化
地震や水害の多い日本では、こうした災害対策も非常に重要です。私の勤務地域でも、大雨による浸水でガス設備が被害を受けたことがありましたが、最新の浸水対策基準に沿った設備では被害が最小限に抑えられました。
消費者保護の強化
消費者保護の観点からも、基準は強化されています
契約時の説明義務の拡充
料金体系の透明化
安全教育・周知活動の強化
「昔よりもガス会社の説明が丁寧になった」と感じる方もいるかもしれませんが、それはこうした消費者保護強化の現れなんですね。
まとめ:安全なLPガス利用のために

液石法第27条は、私たち消費者の安全を守るための重要な法律です。この条文に基づく様々な基準によって、日々のガス利用が安全に保たれています。
私たち消費者にできることは
ガス事業者の点検・調査に協力する:「忙しいから」と言って点検を断らず、定期的な安全確認に協力しましょう。
異常を感じたら早めに連絡する:「ガスの臭いがする」「火の着きが悪い」など、少しでも異常を感じたら、すぐにガス会社に連絡しましょう。
安全な使用方法を守る:ガス機器の取扱説明書をよく読み、正しい使用方法を守りましょう。
警報器の設置に協力する:警報器の設置・交換は、あなたの安全のためです。快く協力しましょう。
最後に一言。私が長年ガス業界で働いて実感したのは、安全は「お互いさま」の精神で成り立つということ。ガス事業者の努力と消費者の協力があって初めて、安全なガス環境が実現します。
今日からあなたも、液石法第27条の「共同守護者」の一員として、安全なガス利用を心がけてみませんか?
「安全はすべてに優先する」?これは私がガス業界で教わった、最も大切な言葉です。皆さんの日常がいつも安全で快適であることを願っています。









