【完全ガイド】都市ガス12A・13Aって何が違うの?地域別の特徴と注意点

【完全ガイド】都市ガス12A・13Aって何が違うの?地域別の特徴と注意点

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

こんにちは、ガス設備アドバイザーのタナカです!
引っ越しシーズンになると毎年たくさんの質問をいただくのが「都市ガスの12Aと13Aの違い」についてなんです。

「ガスコンロが使えなくなった!」「新居に持っていったら点火しない!」なんて悲劇を避けるためにも、今日はこのテーマについて詳しくご紹介します。

ガスの種類って普段あまり意識しないかもしれませんが、引っ越しや新しいガス機器を買うときには超重要なポイントなんです。

この記事では、ガスの種類による違いや地域ごとの供給状況、そして引っ越し時の注意点までを網羅的に解説します!

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都市ガス12Aと13Aの基本知識

都市ガス12Aと13Aの基本知識
そもそも都市ガスとは?
都市ガスは、パイプラインを通じて各家庭や事業所に供給されるガスのことです。LPガス(プロパンガス)と違って、地下に埋設された配管ネットワークを通じて供給されるんですよ。

都市ガスの主成分は天然ガスで、メタンを主成分としています。ただ、この配合割合や熱量が地域によって異なるため、12A・13Aといった区分けがあるんです。

都市ガスの種類と歴史
実は日本の都市ガスは長い歴史の中でいくつかの種類がありました:

6A、6B、6C(石炭ガスの時代)
12A(中カロリーガス)
13A(高カロリーガス)

特に12Aと13Aは比較的最近まで併存していましたが、現在では13Aへの統一が進んでいます。

12Aと13Aの違いとは?

12Aと13Aの違いとは?
熱量の違い
12Aと13Aの最大の違いは「熱量」にあります。

12A: 約9,300~11,000kcal/m3
13A: 約11,000~12,000kcal/m3

つまり、13Aの方が熱量が高いガスということになります。この違いは、ガスの組成の違いからくるものです。

ガス組成の違い
それぞれのガス組成は以下のようになっています

12Aの主な組成:

メタン:約75%
エタン、プロパンなど:約25%

13Aの主な組成:

メタン:約90%
エタン、プロパンなど:約10%

このように、メタンの含有率が13Aの方が高くなっています。メタンは燃焼時のエネルギー効率が良いため、より少ない量で高い熱量を得られるんですね。

なぜ12Aと13Aが存在するの?
これには歴史的な背景があります。かつての日本では地域ごとに異なるガス製造方法が採用されていました。東京や大阪などの大都市では独自のガス供給体制を構築していたため、地域によって異なる規格のガスが使われていたんです。
しかし、安全性や効率性の観点から、全国で規格を統一する動きが進み、現在では13Aへの統一が進んでいます。

日本全国の都市ガス供給地域マップ

日本全国の都市ガス供給地域マップ
都市ガスのカバーエリア
日本全国の都市ガスの普及率は約60%程度で、主に都市部を中心に供給されています。残りの地域ではLPガス(プロパンガス)が使われていることが多いです。

都市ガスが供給されている主な地域

関東地方(東京、神奈川、千葉、埼玉など)
関西地方(大阪、京都、兵庫など)
中部地方(愛知、静岡など)
北海道(札幌市など)
九州地方(福岡市など)

大手ガス会社のサービスエリア
日本には約200社のガス事業者がありますが、主な大手ガス会社のサービスエリアは以下の通りです

東京ガス:関東地方(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬)
大阪ガス:関西地方(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)
東邦ガス:中部地方(愛知、岐阜、三重)
西部ガス:九州地方(福岡、佐賀、長崎、熊本)
北海道ガス:北海道(札幌、小樽、千歳など)

これらの大手ガス会社はすべて13A規格のガスを供給しています。

地域別の12A・13A供給状況

現在の13A供給地域
実は2022年現在、日本国内で供給されている都市ガスはほぼすべて13Aに統一されています。2010年代までに主要都市のガスは13Aへの切り替えが完了しました。

13A供給の主な地域:

東京都および首都圏全域
大阪府および関西圏全域
名古屋市および中部圏全域
札幌市などの北海道主要都市
福岡市などの九州主要都市
その他の地方都市のほとんど

かつての12A供給地域
かつて12Aが供給されていた主な地域は以下の通りです:

長野県の一部地域(2000年代後半まで)
新潟県の一部地域(2000年代まで)
北陸地方の一部(2000年代まで)
山陰地方の一部(2000年代まで)

これらの地域も現在ではすべて13Aに切り替わっています。

過去の切り替え事例
例えば、以下のような切り替え事例がありました:

長野市:2008年に12Aから13Aへ切り替え完了
松本市:2009年に12Aから13Aへ切り替え完了
新潟市:2005年に12Aから13Aへ切り替え完了

これらの切り替え時には、各家庭のガス機器の調整や交換が必要となりました。

12Aから13Aへの切り替え時の注意点

12Aから13Aへの切り替え時の注意点
ガス機器の対応状況チェック
12Aから13Aへの切り替えが行われる際には、お持ちのガス機器が13Aに対応しているかどうかの確認が必要です。

確認方法:

ガス機器の銘板や取扱説明書を確認する
「12A・13A両用」の表示があれば問題なし
「12A専用」の表示しかなければ調整や交換が必要

切り替え時のサポート体制
通常、ガス会社は切り替えに際して以下のようなサポートを提供します:

事前のお知らせと説明会の実施
各家庭への訪問調査
ガス機器の調整作業(無料の場合が多い)
対応できない古い機器の買い替え補助(地域によって異なる)

切り替えにかかる費用
ガス会社による基本的な調整作業は無料で行われることが多いですが、古いガス機器の買い替えが必要な場合は自己負担となります。ただし、多くのガス会社では買い替え補助金制度を設けています。

例えば過去の事例では:

ガスコンロ:5,000~10,000円の補助
給湯器:10,000~30,000円の補助
ガスストーブ:5,000~15,000円の補助

といった補助金が出ていました。

引っ越し時のガス機器対応チェックリスト

引っ越し時のガス機器対応チェックリスト
引っ越し前の確認事項
引っ越し先のガスの種類を事前に確認しておくことが大切です:

不動産会社や管理会社に確認する
引っ越し先の地域のガス会社に問い合わせる
物件情報に記載されているガスの種類をチェックする

持っていくガス機器のチェック
お手持ちのガス機器が引っ越し先で使えるかどうかを確認しましょう:

ガスコンロの銘板を確認
給湯器の対応ガス種を確認
ガスファンヒーターなどの暖房機器をチェック

機器別の対応方法
ガスコンロ:

12A・13A両用であれば調整のみで対応可能
古いタイプの場合は交換が必要な場合も

給湯器:

比較的新しい給湯器なら調整で対応できる場合が多い
10年以上前の古い給湯器は交換が必要なケースも

ガスファンヒーター:

多くの場合、調整で対応可能
非常に古いモデルは交換が必要な場合も

ガス機器の買い替え時期と選び方

ガス機器の買い替え時期と選び方

A man checking a gas stove at a restaurant

買い替えのタイミング
ガス機器の買い替えのタイミングの目安は以下の通りです:

ガスコンロ:10~15年使用後
給湯器:8~10年使用後
ガスファンヒーター:10年程度使用後

ただし、使用頻度や手入れの状態によって寿命は変わってきます。
最新ガス機器の特徴
最近のガス機器には以下のような特徴があります

ガスコンロ:

自動温度調節機能
調理油過熱防止装置
立ち消え安全装置
省エネ設計

給湯器:

エコジョーズ(高効率給湯器)
追い炊き機能の向上
リモコン機能の充実
IoT対応モデルの登場

ガスファンヒーター:

エコモード搭載
人感センサー対応
消し忘れ防止機能
コンパクト設計

費用対効果の高い選び方
ガス機器を選ぶ際のポイントは以下の通りです:

初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮する
省エネ性能の高いものを選ぶ(エコジョーズなど)
安全機能が充実したものを選ぶ
メーカーのアフターサービスの充実度をチェック

例えば、エコジョーズタイプの給湯器は従来型より約15%のガス代節約になりますので、長い目で見ると費用対効果が高いです。

まとめ


都市ガスの12Aと13Aについて、その違いから地域別の供給状況、引っ越し時の注意点まで詳しく解説してきました。

ここまでの内容をまとめると

現在の状況: 日本国内の都市ガスは現在ほぼすべて13Aに統一されています
主な違い: 13Aは12Aよりも熱量が高く、メタン含有率が高いのが特徴です
機器の対応: 最近のガス機器はほとんどが「12A・13A共用」ですが、古い機器は確認が必要です
引っ越し時: 引っ越し先のガス種類を事前に確認し、機器の対応状況をチェックすることが大切です
買い替え時期: ガス機器は約10年を目安に買い替えを検討するとよいでしょう

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