この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
ページコンテンツ
2017年4月から始まる都市ガス小売自由化のメリットとデメリット
4月から始まる都市ガス販売自由化と聞いて、まず最初に気になるのがメリットとデメリットですよね。
これまではガスといえば、自分の住んでいる地域のガス会社との契約のみのガス料金プランでしたが、2017年4月からの都市ガス自由化にともないガス業界に新しい競争が生まれようとしています。
そんな都市ガス小売自由化。私たちにとって、具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
このコーナーでは詳しく、わかりやすく簡潔に解説していきます。
ガス料金が下がります!
今までのガス料金といえば、総括原価方式という制度を元にガス料金を算出されていました。
これはどういう事かと言いますと、ガスの供給にかかったコストの上にガス会社の利益を上乗せしてガス料金が決定されていたのです。
これまでは「地域独占」だったため、かかったコストがほぼそのまま顧客に転嫁できる制度だったため、どうしてもガス代は高いままという状態でした。
ですが2017年4月からの都市ガス自由化に伴い、今度はガス料金が高くなるとお客さんに逃げられてしまいますのでガス会社も今までのように高い料金での価格設定はしていられません。
これが都市ガス小売自由化のメリットであり、ガス会社が各社ともに本気でコスト低減に取り組むことで、ガス料金の値下げが期待できるというわけです。
サービス面での競争に期待!
ガス自由化の選び方のコーナーでも書きましたが、ガス会社が各社ともに奮って低価格を打ち出してきたり価格競争に陥ることは容易に想像できます。
しかしやはり各社ともに価格面での下げは限界が来るでしょうし、そうなってくると各社ともに他者よりも魅力的なサービスを提供するためにいろいろと新たなサービスを打ち出してくることが想像できます。
もしかすると技術革新が生まれ、今までに想像すらできなかった全く新しいサービスやインフラシステムが生まれ、私たちの生活はこれまで以上に便利で快適なものになるかもしれません。
プロパンガスを使っている家庭も安価な都市ガスが使えるようになるかもしれません。
4月からの都市ガス自由化に伴いガス管(導管網)の整備も進められます。
今現在、都市ガスの普及率は約50%と言われていますが、これはガス管が自宅まで届いていないためだと言われています。ですが現在ガス管の整備が進められていますので、今後はプロパンガスをお使いの家庭も安価な都市ガスが使えるようになるかもしれません。
エネルギー価格自体が上昇した場合、価格が不安定になる場合がある
ガス自由化により、各都市ガス提供業者が価格競争を開始することにより、
様々なサービスがでてきたりコスト削減によりガス料金が下がることはわかりました。
ですが都市ガス小売の自由化とは別に、ガスの原料のLNG(液化天然ガス)の価格自体が上昇した場合、
ガス会社の意思とは関係なく価格が変動してしまいますので国際的な燃料の価格に強く連動することでエネルギー価格の上昇する局面ではガス料金も値上がりする場合も考えられます。
地方にお住いの場合は都市ガス自由化の恩恵が受けられない場合がある
日本全国にはガス会社が200社以上点在していると言われています。
しかしながら、まだまだ供給が追い付いていないのが現状。東京や大阪といった都市部ではガス会社が多いですので選べる会社も多くなりますが、地方の場合では、都市ガス自由化に参入をしている企業がまだ少なかったりとしていますので、自由化スタート当初は乗り換えできそうなガス会社が無い、ということも考えられます。