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都市ガスの自由化の説明・乗り換え時のQ&Aなど。
ガス自由化の仕組みや制度の目的・メリットやデメリットなどは、既に別のコーナーにてご紹介させて頂きました。
このコーナーではガスの乗り換えに伴う手順や準備・工事費用はかかるのか?かかるとしたら、工事費用はどれぐらいみておけばいいのか?初期費用は?
私たち消費者が最も気になる、乗り換え時の費用や工事について、わかりやすく簡潔にご説明いたします。
ガス会社の乗り換えにかかる費用はいくら?
4月からのガス小売りの自由化にともない、みなさんが最も気になるのが初期費用なのではないでしょうか。
乗り換えしたいガス会社はなんとなく決まっている。じゃあ、かかる初期費用は一体いくらなの?ガス器具の取り付けや交換に器具は必要なんじゃないの?高額になってしまうんじゃないの?
そう不安に思っているかたがいらっしゃると思います。
ご安心ください!かかる費用といっても、ガス会社の乗り換えにあたっては、特に工事は必要としませんので実際に発生する金額としましても、「契約事務手数料」でせいぜい数千円~3000円程度だと思います。
ガス会社の中にはキャンペーンをやっているところや無料のところもあると思いますので、うまく選べば0円、無料で乗り換えができるケースもあることでしょう。
これからは価格競争の時代!
我が国、日本では2017年の4月からガスの小売りが自由化されますが、英国・イギリスではガスの自由化がいち早く行われていました。
今から10年以上も前の1996年には既に一般家庭向けのガス小売りの自由化が解禁されていましたし、2017年現在でのガス小売りの市場シェアは新規参入業者が全体の50%以上を占めています。
先のイギリスに倣い、日本でもいずれはこうなって行く事が予想されます。
ガスの乗り換えに工事や工事費用は一切かかりません。
ガス自由化により、ガス会社を乗り換える事で毎月のガス代が安くなる…というのは大歓迎なのですが、でもその前に「工事が必要なのかどうか」「工事費用がかかるのかどうか」こういった点がみなさん大変気になっているようです。
ご安心ください。
ガスの自由化によりガス会社を乗り換えても(ガス会社を変更しても)、基本的に工事は必要ありませんので工事費用も必要ありません。
これはどういう事かといいますと、ガスの購入先が変わっても各家庭に届くガスはこれまで通り、従来のガス管を使ってガスが供給されますので当然、ガスの工事や工事費用も必要ありません。
ガス自由化でガスメーターの交換は必要なし
昨年に実施された電力自由化のときのことをみなさん覚えておられるでしょうか。
あのときは、スマートメーターと呼ばれる次世代の電力メーターへの交換工事が行われていました。ちょうど電力会社の切り替えが行われるタイミングで交換工事も行われましたので、今回のガス自由化に伴う手続きでも、こうしたメーター交換が必要なのでは??とみなさん思っていらっしゃると思います。
ですがご安心ください。
今のところは、ガス自由化に伴うガス会社の乗り換えでメーター交換が必要ということは聞いたことがありませんし、そもそも「メーター交換自体が必要ありません」ので、一般家庭でガス会社を乗り換える際には、工事は全く行われません。
一般家庭においては、ウェブからただ申し込みを完了するだけで、新ガス会社への切り替えが完了する、と思って頂いていれば結構です。
ただし、プロパンガス(LPガス)から都市ガスへの変更には工事が必要ですのでご注意ください。
※都市ガスからLPガス(プロパンガス)への変更にも費用が発生します。ガスの供給自体は従来のガス管をそのまま使うので費用はかかりませんが、各家庭に届いたガスを使用するためのガス器具の交換や部品の交換などで費用が発生する場合があります。
プロパンガスと都市ガスでは仕様が異なりますので、自宅前にガス管を引っ張ったりガスコンロや給湯器などを仕様変更したりしなければならない場合もありますので、思いのほかに高額な費用が発生する可能性もある、というわけです。
ガス会社切り替え時の参考に~現時点でガス事業に新規参入している企業
今回のガスの自由化の対象は「都市ガス」と「簡易ガス」が対象です。LPガス(プロパン)は既に自由化されていますので、ご自身の家庭にあったガス会社を選ぶのがお勧めです。
そして新規参入企業の中で特に期待されているのが大手の各電力会社です。
以下に参入を表明している各電力会社をご紹介致します。
東京電力
http://www.tepco.co.jp/index-j.html
メタンとエタンを液化したものを液化天然ガス(LNG)と呼び、安全な燃料と呼ばれていることでも有名です。東京電力=東電は液化天然ガスのLNGの輸入量は日本国内ではダントツの1位で取扱量も国内最大級。電気とガスのセット割引プランの導入が今後期待されている有力の企業と言えます。
中部電力
https://www.chuden.co.jp/home/gas_keiyaku/menu/index.html
液化天然ガスのLNGの調達量を見ても他社の追従を許さない圧倒的な調達量。都市ガス自由化への参入は当然として、電気とガスのセット割引プランの導入が今後期待されている有力の企業と言えます。
関西電力
https://kepco.jp/gas
関西にお住いの方ですと、かんでんガスのCMでもおなじみの関西電力です。関電はガス自由化にとても意欲的であり、かなりの早い段階から参入し、多くの実績を積み上げていました。大口顧客向けのガスの販売は2000年から開始されていますし、2017年現在も、ガスの取扱量も国内4位という高い位置づけで信頼を積み重ねています。
九州電力
http://www.kyuden.co.jp/press_h161116-1.html
九州地方の7県に電気を供給する通称「九電(きゅうでん)」。
本社ビルは電気ビルと呼ばれていることでも有名です。また、九電は圧倒的な設備力を持っていることでも有名で、2017年の4月からのガス自由化には全くの新規参入とはいえ、価格競争力を高める戦略とガス調達や業務費用の効率化で今後の割引プランも大変期待できるといえるでしょう。
マンションや賃貸ではどうなの?替えられるの?
お住まいのご自宅がマンションでも賃貸でも一戸建てでも問題ありません。ご自宅のガスメーターをご確認ください。ガスメーターが設置されていれば問題なくガスの切り替えができます。
賃貸だとガスが自由化されても乗り換えられないんじゃないの?と不安に思っていた方も、これで安心ですね。
しかしここで注意が必要なのが、プロパンガスを利用している賃貸住宅の方です。プロパンガスは1996年に自由化されました。どの業者を選ぶのかはみなさんの自由です。ですがアパートや賃貸住宅・賃貸マンションにお住いの場合は、ひとつだけ注意点があります。
それは「プロパンガスを利用している賃貸住宅」の場合です。
基本、大家さんか管理会社にガス会社を決める権利がありますので、賃貸の場合は大家さんや所有者の方に伝えてください。
ガスで発電が出来るエネファームやエコウィルを使っている場合
新築のご家庭ではエネファームやエコウィルといった、ガスを使って電気を発電できる設備を導入しているご家庭も多くなってきました。
ではそういったご家庭ではどうなるのか?
問題なくガスの切り替えができるのか?
そう不安に思っていらっしゃる方も多いと思います。ですがご安心ください。
エコウィルやエネファームでも問題なく乗り換えが可能です。ガスの会社が変わっても、ご自宅に供給されるガス自体には変化はありませんので安心してご検討ください。また、今後は新規参入企業もエネファーム用プランなどを導入されてくると思いますので、そういった割引も考えながら今後のガス会社を選んで行ってください。
ガスの切り替え時の参考に~乗り換えの手順をご説明~
各社の料金プランを比較・検討し、ご自身に合ったお好きな料金を選び、乗り換え先のガス会社を決めましょう。
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ガス会社が決まったら、いまお使いのガス会社から毎月届く検針票を手元に用意し、乗り換え先のガス会社に連絡を取りましょう。
※これまでに契約していたガス会社へは特に連絡は不要です(ガス警報器などをリースしていた場合は別)
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乗り換え先の新しいガス会社からご自宅に通知が届きます。
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新しい住所に引っ越しをしたときなどはガスの開通には立ち合いが必要になりますが、4月からのガス自由化にはそういったものは必要ありません。なぜならガスの契約だけが一新されるからです。ですのでメーター交換もおそらく不要、ガスを利用中でしたら「開栓」や「閉栓」も必要ありません。思っているよりもずっとスムーズに事が進むのです。