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LPガス(プロパンガス)の平均価格の方が、一般的には都市ガスよりも高いと言われていますよね。
確かにプロパンガスは都市ガスと比べると、だいたい1.1~2.23倍ほど高くなっているようです。
なぜこうも料金に差があるのか?につきましては、
当サイトの過去記事でもすでにご紹介しておりますので、ここでは料金の違いについては割愛させて頂きます。
今回のテーマはプロパンガスと都市ガスの違いについてです。
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まず原料が違います
過去記事でも少し触れましたが、都市ガスの特性は空気より軽いため、
どちらかといいますと天井などの高い位置に溜まりやすい特性があります。
それとは対照的に、LPガス(プロパンガス)は空気よりも重たいですので、足元や床付近にガスが溜まりやすい特性があります。
一般家庭で使われているガスといえば、大きく分けるとだいたいはこの2つが主流でして、
こうしたガスのタイプは、住居を探す際の検討材料のひとつとしても利用されています。
この2つのガスですが、全国的な普及率はほぼ同じぐらいなのですが、大きな違いといえばその供給方法に違いがあるといえます。
LPガスの方はトラックや小型のローリーなどで各家庭や施設にガスボンベを設置して送ります。
給食センターや介護施設などの前にLPガスのボンベを積んだトラックなどが停まっているのを見たことはありませんか?
プロパンガスはこうした形で家屋や各家庭にガスボンベ設置してガスを送っているのです。
都市ガスの方は、地面の下に張り巡らされたガスの導管を経由して各家庭や施設、家屋にガスを送っています。
まずこれがプロパンガスと都市ガスの大きな違いと言えるでしょう。
つぎの大きな違いは価格面です。
プロパンガスよりも都市ガスの方がなぜ好まれるか、ということですが、なによりもまずは価格面の違いです。
都市ガスは公共料金であるがために、適正な価格設定がなされていますので、LPガスと比べるとかなり安いです。
また、LPガスは各世帯にガスを供給するための運搬費など、
都市ガスと比べると余計な人件費等がかかってしまうため、どうしても価格にこうした違いが出てしまうのです。
都市ガスの方は他には設置場所に困らない、大規模災害が発生したときなどでも安全性に優れている、といった違いがあります。
都市ガスとプロパンガスに性能の違いはない
よく勘違いされるのですが、都市ガスだから高出力だとか、プロパンガスだから出力が弱いだとか、そういうような違いはありません。
一般家庭での使用率ではほぼ半々の割合のこの2つのガスですが、性能差による違いはありません。
あるのは上記に述べた価格面や設置の際のスペース、供給の仕方などの違いがあるだけです。
みなさんのライフスタイルや、お風呂好きであるか否か、自炊をよくするのかどうか、毎月のガス代のうち、入浴か炊事かで、占める割合などを考慮して、都市ガスとLPガスがあって同じ賃貸料金で部屋があった場合、ガスの使用状況などをよく考慮してから入居などを決められると良いと思います。
確かにプロパンガスは一般的に都市ガスと比べると約1.5倍ほど高いですが、
管理費込みの住居を探している場合、一人暮らしの方ですと
よほど高額なプロパンガス会社じゃない限りは、それほど大きな金額の違いは出ないように思います。
【プロパンガスと都市ガスの違いの比較表】
比較対象 | プロパンガス | 都市ガス |
ガス代 | 高い | 安い |
火力 | 1㎥あたり約24,000kcal | 1㎥あたり約12,000kcal |
主成分 | ブタン、プロパン | メタン(天然ガス) |
供給方法 | 各家庭に液体ガスのボンベで供給 | 地下の配管で供給 |
料金形態 | 自由料金 | 公共料金 |
プロパンガスと都市ガスの火力の違いですが、
1㎥あたりで約24,000kcalの熱量というものですが、これは飲食店並みの火力といえます。
対する都市ガスの火力ですが、1㎥あたりで約12,000kcalの火力、これは一般的な標準家庭の火力になります。
とはいえ一般家庭で料理に使うガスコンロの火力はそれほど強い火力を必要としませんので、
2倍の火力差があるとはいえ、料理の仕上がりにそれほどの違いはないかと思います。
燃えた時に出る熱はプロパンガスの方が大きい
プロパンガスと都市ガスの双方を使ったことの経験がある方ですと、お分かりになられますが、
例えば同じぐらいの期間(日数)、同じ量のガスを使用したとしても請求書を見て驚かれることがあります。
例えば使用日数が10日だったとします。使用量は13m3(立米:りゅうべい)だったとします。
プロパンガスと都市ガスで同じ量だけのガスを使ったとして、
プロパンより都市ガスのほうがガス自体を多く使った結果になることもあります。
これはどういうことかといいますと、都市ガスとプロパンガスとでは燃え方に違いがあるからです。
この2つのガスには燃焼の仕方に違いがありますので、燃えたときに出る熱にも違いがあります。
LPガスは都市ガスに比べ、熱量が約2.18倍高いため、発熱量はLPガスのほうが優れています。
プロパンガスと都市ガスの工事費の違い
ガス自由化でプロパンガスから都市ガスに切り替えようとご検討中の方が増えてきていますが、
プロパンガスと都市ガスに必要な設備や工事費の違いについて、
あまりご存じではない方が多くいらっしゃるようですので少し書かせて頂きます。
まず、プロパンガスなのですがこちらは圧縮すれば簡単に液化します。
そして都市ガスですが、天然ガスは-162℃以下に冷却すると液化する性質を持っていますので、
都市ガスを圧縮するためには-162℃以下にまで冷却しなければ液化しません。
また、上手く液化できたとしても、それだけでは不十分で今度は気化させるための設備も必要になってきます。
ですので賃貸の方でプロパンガスから都市ガスにすぐに変更したい、と思っても、
設備代だけでもかなりの高額になってしまいますので、なかなか気軽に置ける、という具合にはなりません。
それに都市ガスを導入するためにはガス管が必要になりますので、
お住まいのご自宅の前の道路に都市ガスのガス管が通っているのかどうか、という点も大事な確認ポイントになります。
もしガス代の節約で、現状のプロパンガスのガス料金をなんとかしたいとお考えなのでしたら、
賃貸の方は都市ガスへの切替よりも今のプロパンガスよりも安いガス会社を見つけてから、
大家さんに変更の要請をお願いするのがよろしいと思います。
プロパンガスですと、大家さんと契約で繋がっているはずですし、
設備が壊れた場合も無償で直す契約をしているところが多いはずですから後は単価面の交渉だけです。
尚、日本の家庭で使われているLPガスですが、LPガスという名称よりも「プロパンガス」という呼び名の方が有名になっていますが、
実はプロパンガスの成分が100%ではありませんので正しくはLPガス(プロパンガス)という名称になります。
まとめ
本稿をまとめますと、プロパンガスと都市ガスの違いですが、
プロパンガスのメリットは都市ガスに比べて ○火力が強い ○災害時の普及が早い ○大家さんがあまりコストをかけずに導入することができる、といった違いが挙げられます。
プロパンガスのデメリットは都市ガスに比べて ×燃焼時の酸素の消費が大きいので酸欠になりやすいことと、 ×ガスの単価が高いこと、 ×プロパンガスの施設の維持費は毎月のガス代に上乗せされて入居者から回収される仕組みになっている、ということが挙げられます。
他にはプロパンガスの料金は業者によって価格がまちまちで、「プロパンに定価は無い」といっても過言ではないということですね。
以上がプロパンガスと都市ガスの違いになります。
特にどちらが性能が良いかなどは無いとお考えになってよろしいかと思われます。
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